一般に老犬と呼ばれるのは小型犬では8歳、中型犬や大型犬では7歳から老犬として扱われます。
考えたくはないですが、今飼っている愛犬も年数を経て老犬の仲間入りをし、だんだんと体力が衰えていくものです。
老犬になった愛犬とどのように向き合ったらよいのか、老犬になったときの運動や食事はどのようにしたらよいのかを今回はご紹介します。
老犬になったら必要なグッズなども一緒に紹介していますのでぜひ参考にしていただければと思います。
介護が必要になった時に前もって知っておいた方が良い事
愛犬は年老いても今まで出来てきたことは今でもできると思って行動しようとします。
今まで難なく登れた段差も登れない、目が見えているようでも壁にぶつかってしまう、このようなこともしばしば起こってきます。
このような些細な行動の変化を飼い主さんがしっかりと感じ取ってあげる必要があります。
犬の老化は人間が思っている以上に早く、飼い主さんが老化現象かな?と感じた時には、かなり老化が進行している可能性が高いということを肝に銘じ、理解しながら生活することが大切です。
老犬との暮らしを考えましょう
老犬は成犬に比べ、家で過ごす時間が長くなり、一定の場所に留まって過ごすこともあります。
8歳を超えた頃からは、1日中寝て過ごしていることも少なくありません。
そのような状態でも家の中で快適に過ごしてもらうために、成犬の時とは違った環境づくりや対応を飼い主さんもしなくてはなりません。
まずはベッド選び
老犬になってくると一日中同じ場所で寝ていることが多くなります。
自分で立ち上がることができれば問題はありませんが、自立することが不可能になった場合、体勢を変えることができず床ずれを起こしてしまう可能性があります。
特に大型犬は地面にかかる圧力が強くかかるため、老犬用のベッド選びが重要になります。
体圧分散マットや高反発マットを使うことで体の負担が少なくなるのでおすすめです。
ベッドの置き場所は基本的に今まで通りの場所と問題ありませんが、できれば飼い主さんの目の届く場所や温度変化の少ない場所が望ましいです。
ソファーや人間用のベッドなどで寝ることが多い場合は、段差にも配慮しなければなりません。
また、犬用のベッドを低い位置に置くとヘルニアを防ぐこともできますので、寝る場所を改めて検討してみましょう。
飲み水は変える必要はないでしょう
飲み水に関しは、水道水で全く問題がないと思います。
犬用のミネラルウォーターや水素水などが販売されているので、もし健康面などで水道水を気にされる飼い主さんはそちらを与えてもいいかもしれません。
ドリンキングウォーターファウンテン(自動給水機)を利用して、飲みたいときにいつでも飲める環境を作ってあげるのも良いです。
水を飲まないときは普段の食事から水分補給ができるように、ドライフードを水でふやかして与えたり、ウェットフードを利用して水分補給と栄養補給を同時に行うのも良いでしょう。
家の中での遊び方
知育玩具の利用をおすすめします。
知育玩具と聞くと子犬のためのおもちゃと思い浮かべる飼い主さんも多いと思います。
知育玩具は子犬だけでなく老犬にも良いとされています。
知育玩具の特性として、頭を使いながら遊ぶことで、長時間の一人遊びが足腰の運動に繋がり、家の中でも筋肉をつけたり衰えを防ぐことができます。
老犬の散歩や運動を考えましょう
老犬と言われ始める犬の年齢は、人間に換算するとまだ50歳くらいです。
散歩や運動時の動きはいつもと変わりはなく見えますが、衰えは目に見えないところから出てきますので、この時期からしっかり対策することが大切です。
老犬でも運動は必要なのか
愛犬が嫌がるようであれば無理な散歩は必要ありませんが、11歳を過ぎると動かなくなる犬が急激に増え、筋肉を維持するための運動が必要になります。
運動をして代謝を上げる必要もあります。
代謝が落ちてしまうと食欲や食事量にも影響してくるため、良いタイミングで運動させることが必要となります。
老犬の運動で大切なこと
加齢による衰えを防ぐには、脂肪を付けず筋肉量を増やすことが大事です。
老犬にも適度な食事と適度な運動を心がけましょう。
老犬の運動は散歩程度で十分ですが、体力が落ちてきているため長時間の散歩は体に負担がかかってしまいます。
1回の散歩の時間を短くし、複数回に分けて散歩するのが理想です。
家でもできる運動を取り入れましょう
散歩が難しい場合は、家の中でボール投げや知育玩具を使って一人遊びさせるのも良いでしょう。
無理をさせない程度に程よく刺激を与えるように、運動のバランスは飼い主さんが調節してあげてください。
老犬の食事を考えましょう
老犬になると、今までよりも食欲が減ったという犬のほかに、今までと同じ量食べているのに体重が減った、あるいは増えたという犬がいます。
このような体重や食欲の変化が生じたときは老犬用のフードに変えるべきなのでしょうか?
ドッグフードはフードメーカーによってシニア用もあればオールステージ用のものも作れらています。
最近では子犬から成犬、老犬まですべての世代が食べられるオールステージ用のものが多く見られます。
老犬になったからシニア用を食べさせる必要はなく、愛犬が一番おいしいと食べれるフードを用意してあげるのが一番良いでしょう。
シニア用は老犬に不足しがちな成分や補うための成分を中心に考えられていたりするため、子犬よりは老犬の体を考えて配合されているフードで老犬向きと考える程度でいいのではないかと考えます。
まんべんなく栄養が配合されたオールステージ用でも愛犬がおいしいと食べるのであればそれが一番良いでしょう。
気を付けたいのは、老犬は口内環境が成犬時よりも悪化しています。
口内環境が悪化すると硬いドライフードを食べることが困難になりますし、味覚と嗅覚が衰え食欲も落ちてきます。
腸内環境を改善させるためのサプリメントなどを同時に摂取することで老化に負けない体づくりを心がけることも大切です。
食事で脂肪を調整しましょう
老犬が脂質を摂りすぎると下痢をする可能性があります。
脂質が控えめの12%程度のドッグフードを選ぶようにしましょう。
高タンパク・低脂質など少量でもしっかりと栄養が撮れる食事を心がけ、関節や目などの老犬になるとどうしても弱くなってしまう部分はサプリメントで補っていくことが大事です。
それでもだめだったらライトフード(ダイエットフード)を与えてみることも候補に入れておくと良いです。
ウェットフードや手作りフードはほどほどにしましょう
基本的にはドライフードをしっかり食べてくれるのであればドライフードだけで良いです。
水をあまり飲まず水分不足が疑われるようなときは、ウェットフードを利用するのも良いでしょう。
手作りフードは食いつきが良いため与えたくなる気持ちはわかりますが、手作りフードばかり与えているとどうしても栄養が偏ってしまいますので注意が必要です。
ドライフードをメインに与えるようにし、トッピング程度に手作りフードを与えるようにすると良いでしょう。
老犬との生活におすすめのグッズ5選
愛犬の老後を楽しく安全に過ごすために「こんなグッズがあると便利だよ」というグッズを集めました。
ペットショップやホームセンターで購入できるものなので、いいなと思う商品があれば最寄りのお店に立ち寄ってみてください。
犬用ステップ
2段ステップや3段ステップ、幅広ステップなど様々な種類があります。
老犬に適した低反発やステップの奥行きが広いものもありますので、最適なステップを使って段差の上り下りの負担を軽減させましょう。
撥水タイルマット
足腰が弱くなると立てなくなったり、踏ん張れなくなってしまったりします。
撥水タイルマットは滑り止めのような役割を果たすため、自力で踏ん張れなくなってしまった老犬の足をサポートするのに役立ちます。
ごっつん防止シート
犬がよろけて壁に当たった時の衝撃を和らげてくれるシートです。
目が弱ってきたり見えなくなってしまった犬に最適なシートで、貼ってはがせるものが多いので、愛犬の生活空間に合わせて使用することができます。
体圧分散マット
寝たきりになってしまった愛犬用のベッドに最適です。
体圧分散設計のマットを使えば、一日中寝ていても床ずれを起こす心配が少なくなるのでおすすめです。
通気性があるものやカバーが洗えるものを選ぶのが良いでしょう。
犬用のものだと側面に持ち手がついているものには、犬をマットに乗せたまま動物病院に運ぶことができるものもあります。
高さ調整できる食器
食器の高さを調整できることで前足や首にかかる負担を和らげることができます。
高さがあると深々と頭を下げなくてよいため、誤嚥などの心配も少なくなります。