犬のしつけは根気のいることですが、飼い主さんが正しいしつけをしてあげることで、これからの犬との暮らしは楽しくより充実したものとなっていきます。
そこで、これから犬のしつけをする予定がある飼い主さんへ向けて、犬の正しいしつけの順番について解説します。
犬のしつけの順番で大切なこと
犬のしつけというと、とても難しく考えてしまう飼い主さんもいらっしゃるかもしれませが、きちんと順番を踏まえて根気よくしつけていくことで、中には意外とスムーズに覚えてくれるしつけもあります。
まず初めに、犬のしつけの順番を考えるときに大切なことを押さえておきましょう。
そもそも犬は何もしらないということから理解してしつけを始めましょう!
当たり前のことですが、しつけに必死になっているうちに忘れがちになってしまいます。
そもそも店頭やブリーダーさんの犬は「迎えた家庭でしつけされることが前提」とされているため、実はしつけの「し」の字もよく知らないことが多いです。
ブリーダーさんの中には、トイレのしつけやご飯の食べ方など、基本的なしつけをやってくれていることがあります。
ですが、それは我が家とは別の場所での話ということを忘れてはいけません。
我が家に迎えた時点では、犬のしつけは何も始まっていません。
つまり、しつけをまだ何も知らないということと同じなのです。
飼い主さんは、トイレも食事もお店の人ができると言っていたとしても、我が家のルールに則った犬へのしつけをする必要があります。
まずは「食べる」「寝る」「排泄する」など基本的なしつけの順番を具体的にご紹介していきます。
可愛い犬が我が家にやってきました。
しばらくは様子を見て、おうちの中をくまなく探検させることが大切です。
新しい環境に慣れさせてからしつけをスタートします。
犬のしつけの順番「まずは犬のことを教えよう」
これからは家族の一員として一緒に暮らしていくにあたり、愛犬に「自分はこの家でどんな存在であるのか」という基本情報を教えなくてはなりません。
犬のことを教える、というのは「犬の基本情報」を教えるという意味になります。
具体的に犬の基本情報をしつけけるとはどういうことなのでしょうか?
- 名前を教える
- 家族のことを覚えさせる
- 寝る場所(いつもいていい場所)を教える
- ごはんを食べる場所を教える
- トイレの場所を教える
どのしつけも犬と人が一緒に生活するうえで大切になってくるしつけとしつけの順番です。
犬の名前を教える
犬の名前は、我が家に迎える前から決めておくとベターです。
犬が名前を覚えるまで時間がかからないように、家族全員が共通して同じ名前で呼びかけてあげましょう。
違った名前で呼びかけると犬は迷ってしまい、結果として名前を覚えるのが遅くなってしまいます。
愛犬の名前を呼びながら撫でたり話しかけたりすると、割とスムーズに名前を覚えてくれます。
〇〇ちゃん、おなかすいた?
〇〇ちゃん、おいで~
〇〇ちゃん、良い子だね~
など、犬に何かを話しかけるときは必ず名前を呼んであげましょう。
繰り返しているちに、名前を呼んだら愛犬がこちらを向くようになれば、それは犬が名前を憶えてくれたというサインです。
根気よく犬の名前を呼び続けることが、名前を教えるしつけとしておすすめの方法です。
飼い主と認識してもらう
犬の覚えてもらう「家族」には、もちろん飼い主さんも含まれます。
まずは、飼い主さんを覚えてもらうためのしつけの順番をご紹介していきます。
同居家族がいない場合は、比較的簡単なしつけなのですが、他にも同居家族がいる場合「私の飼い主さんは誰なの?」と迷わないようにしつける必要があります。
- 愛犬にたくさん話しかけたり、たくさん遊ぶ
- 排泄の後始末をする
- ご飯の用意をする
- 愛犬を寝る場所(いてもいい場所)に誘導する
しつけの多くはお世話なのですが「お世話をしてくれる大事な人」と愛犬に覚えてもらうことが飼い主さんだと認めてもらうためのしつけに繋がります。
家族を覚えてもらう
家族を覚えてもらうしつけは非常に簡単で、普段通りに一緒に生活しているだけで大丈夫です。
必要に応じてお世話や遊んであげることでより早く家族だと認識できることでしょう。
犬はとても賢く、感情を読み取ることが上手いため、飼い主さんと家族の関係性などをよく観察しています。
犬に寝る場所(いつもいていい場所)を教える
犬を迎えるにあたり、ケージやサークルをあらかじめ用意して愛犬の居場所を作ってあげていると思いますが、ケージやサークルが愛犬の寝る場所であったり、居てもいい場所だとしつける必要があります。
ケージやサークルの中に入れたり指をさして「居てもいい場所はここだよ」と教えるのではなく、逆転の発想によるしつけ方が有効とされています。
「ここにいれば何もかも揃っていて安心なんだ」
と、犬に思わせることでケージやサークルが自分の居場所だと認識させます。
- ケージやサークルを置く場所を決めます(犬が絶対に近寄らないような場所は避けましょう)
- 愛犬の臭いの付いたタオルなどをケージやサークルの中に置きます
- 初めのうちは中に「ごはん(食器)」や「トイレ」など生活のすべてを設置します
- 準備が整ったら愛犬を誘導しましょう
犬の我が家探訪を見ていると「よくいる場所」がわかってきますので、そこにケージなどを設置してあげましょう。
安心して愛犬が眠れるように自分の匂いや、飼い主さんの匂いのついたものを置いてあげることで安眠できるはずです。
慣れるまではごはんもトイレもケージの中に設置しますが、必要なものが揃っている状態は犬が一番安心できる場所となり「あなた(犬)のテリトリーですよ」としつけることに繋がります。
できれば「ごはん」と「トイレ」は離して置いてあげてください。
スペースが許すのであれば敷居などで区切ってあげるのもよいでしょう。
犬のしつけはトイレが先?ごはんが先?
トイレとごはんをしつける順番は、どちらが先でも全く問題ありません。
トイレもごはんも基本的なことを教えるしつけの順番としては一番最後で大丈夫です。
特に犬にトイレをしつけるためには、じっくりと時間をかけて行う必要があります。
そのため、まずは他の基本情報をしっかりと教えてからの方がしつけの順番としては適しています。
ごはんを食べる場所のしつけは、生活の中で徐々に飼い主さんがあげやすい場所に決まってくることがほとんどです。
トイレとごはんのしつけは、焦らずじっくりとしつけていきましょう。
犬にごはんをあげるときのしつけ
まずはごはんのしつけについてご説明していきます。
慣れないごはんタイムに、犬はごはんの器で遊んでしまうことや、食べなれていないためひっくり返してしまうことがあります。
そのため、ごはんやフードを入れる器の重さに注意しましょう。
愛犬が器で遊んでしまうようであれば、陶器などの重めの器を利用するとイタズラ防止になって良いでしょう。
器のヘリの高い物や傾斜のある器など、多種多様に販売されていますので、愛犬に最適な器を探してあげましょう。
わかりやすい態度で示します。そして、
次に、ごはんやフードを出しておく時間を決めることです。
これは非常に大切なことで、仔犬のうちはごはんをたくさん与えても食べ切れずに残してしまうことがあります。
また。お腹がいっぱいになったら食べるのをやめ、お腹がすいたらまた食べるといったダラダラ喰いという状態になることがあります。
この状態を放置すると生活のメリハリがつきにくく、今後のしつける「待て」や「お手」などの本格的なしつけの習得に悪影響を及ぼす恐れがあります。
食べ残しのごはんやフードを置いておくのは、衛生面でも良いとはいませんので、一定の食事時間で食べきらなければ捨てるようにしましょう。
犬のトイレのしつけ
犬のトイレのしつけは、最も飼い主さんを悩ませるしつけと言えるのではないでしょうか?
別の記事で詳しくご紹介していきますが「犬のお散歩中は排泄の時間ではない」のです。
本来は、きちんとおうちで排泄を済ませてからお散歩させることが「お散歩」です。
犬のトイレのしつけは奥が深いため、詳しくは「犬のトイレのしつけ方」の記事で具体的なご説明をしていますのでご覧ください。
では、基本的なトイレをしつけ方をご紹介します。
- トイレに犬の排泄の匂いを付けて覚えさせます
- トイレの場所は2つ以上作りましょう
- 失敗を怒らずに、できたら褒めるを徹底しましょう
- こまめにトイレをお掃除してあげましょう
以上が犬のトイレのしつけ方となります。
犬のしつけの順番のまとめ
ここまで、犬のしつけの基本的な流れについてご紹介してきました。
この先は、いよいよ我が家を飛び出して「お散歩マナー」や「遊ぶ時のマナー」のしつけに入っていきますが、これらのしつけは犬の基本的なしつけがすべて終わってからにしてください。
「お散歩」を楽しむためには、まず基本的なしつけの順番を経て、自分の基本情報をきちんと確立できてからお散歩デビューが理想です。
室内飼いが推奨されてきている今だからこそ、基本的なしつけの順番やしつけのポイントを押さえ、ゆっくり時間をかけて効率的に教えてあげてください。
焦らず忍耐強くしつけをしましょう。