犬の無駄吠えや夜鳴き、遠吠えは、飼い主さんにとって悩むことが多い問題行動です。
犬種によっては全く吠えない、鳴かないといった種類もいます。
しかし、もともとの犬種の特徴としてよく吠える、鳴くという犬も多いです。
今回は犬の無駄吠えや夜鳴き、遠吠えの理由としつけについて解説します。
犬の無駄吠えの理由としつけ方について
犬の無駄吠えとは、吠えなくてもいい時や吠えてほしくない時に、飼い主さんが止めても吠えることをやめない状態のことです。
犬の無駄吠えには様々な理由があり、室内と散歩中で理由が違ってきます。
また、要求鳴きと無駄吠えにも違いがあります。
犬が吠える、鳴く理由を知ることで改善策を探ることができます。
犬の室内での無駄吠えの理由としつけ方
室内にいる時に犬が吠えてしまう原因には、インターホンの音や知らない人が来た時、といったことが挙げられます。
こうした無駄吠えの理由は、犬にとって「怖い気持ち」や「不安な気持ち」から吠えていることがほとんどです。
室内での無駄吠えの対策には、次のポイントに注意してしつけましょう。
- 不安を取り除き、音や人などに慣れさせる
- 褒める
といったしつけをしていきます。
インターホンが鳴ると吠える時は、インターホンの音が怖い、または知らない人が外にいて怖いから吠えることが多いため、どのようなタイミングで鳴ると吠えるのかをまず飼い主さんが確認し、音が怖いのであれば「大丈夫だよ」と声をかけて安心させます。
知らない人が来て怖い時に吠えることは、厳密には無駄吠えではありませんが、飼い主さんが「吠えてほしくない時」になるため、手の平をかざして「ノー」や「ダメ」と吠えてはいけないことをハッキリと伝えます。
飼い主さんが吠えられると困ることを伝えることが、吠える時のしつけの基本です。
要求鳴きのしつけ方
「お腹が空くと吠える」「散歩に行きたいと吠える」ということを「要求鳴き」と言い、飼い主さんを呼ぶために鳴いています。
こうした要求鳴きの時は、飼い主さんがすぐに反応すると、犬は「吠えれば要求が通る」と思ってしまいます。
要求鳴きが常態化してしまうと、なかなか治りにくくなるため、飼い主さんは要求鳴きにすぐに反応しないようにし、「待て」のしつけを行うことで改善させます。
待っていられたら褒めることを繰り返すと、徐々に要求鳴きはなくなっていきます。
犬のお散歩中の無駄吠えの理由としつけ方
犬の散歩中の無駄吠えで最も多い理由は、他の犬との接触や縄張り争いです。
通行人に吠えることもあります。
犬の散歩中の無駄吠えのしつけは、犬の社会化を促す上で、とても大切なしつけです。
他の犬や人に会いそうになると吠える時は、立ち止まってリードを水平に後ろにグッと引きます。
この時に気をつけることが、決して上に引かない、ということです。
上に引くと首が締まってしまい、脊椎にも良くありません。
水平にグッと引いたら、「ノー」や「ダメ」と、他の犬や人に向かって鳴く行為がダメであることを犬にきちんと伝え、アイコンタクトなども使いながら、「吠えると歩かない」ということをしっかり教えます。
これが、犬の散歩時の無駄吠えのしつけです。
初めのうちはなかなかうまくいかないかもしれませんが、何度も繰り返ししつけることで自然となくなっていくため、根気よく対処していくことが大切です。
犬の夜鳴きや遠吠えの理由と対策、しつけ方について
犬の夜鳴きは仔犬によく見られ、遠吠えは老犬によく見られる行動です。
夜鳴きや遠吠えの理由は、寂しい、怖い、不安、肉体の衰え、といったことがあります。
寝室を別にしているとよく起こり、日中の運動不足でも鳴くことがあります。
犬の夜鳴きの対策としつけ方
犬の夜鳴きは、寂しい、不安、という気持ちから鳴きます。
飼い主さんと一日中くっついているような犬は特に夜鳴きをする傾向にあります。
犬の夜鳴き対策の一番簡単な方法は、「寂しくさせない」ということです。
例えば、飼い主さんと寝室が離れすぎている場合は、できるだけ近くにいられるように工夫します。
犬の寝る場所を動かすことが難しい場合は、「真っ暗にしない」という対策をします。
犬は夜目が効くため、真っ暗にしてもある程度周囲が見えます。
しかし、真っ暗にされると怖くなって鳴くことが多いため、どこか一か所だけ薄く明かりをつけておきます。
寝る時は、「おやすみ」と必ず声をかけ、寝る時間であると認識させるしつけも大切です。
何をしても鳴くのをやめないようなときは、日中の運動不足に原因があることがあります。
眠たくなるほど疲れていないため、体力が有り余ったまま夜を迎えると夜鳴きの原因となります。
日中にたくさんお散歩をして、遊んであげることで適度に体力を使わせると、夜は犬も疲れてぐっすり眠ってくれるようになります。
従って、昼寝をたくさんしてしまうと夜鳴きすることがあるので、日中の行動に注意が必要です。
生活リズムを崩さないように飼い主さんが工夫してあげましょう。
犬の遠吠えの理由と対策
犬の夜鳴きと遠吠えは意味が少し違っており、遠吠えの場合は、近所の犬とコンタクトを取ろうとしていることが多く、シニア期には「切なくなって」遠吠えをしたりします。
寂しい気持ちの夜鳴きとは違い、飼い主さんを呼ぶというよりは他の犬を呼ぼうとしており、また、シニア期の遠吠えは外に対して「体がしんどくなったよ」と訴えています。
こうした遠吠えに対する対策は、実はあまりありません。生理的な反応のため、止めさせることが難しい問題です。
それでも近所迷惑になる、または家族が寝不足になるなどの心配がある時は、次のような対策をします。
- 犬の寝る場所の防音対策をする
- 飼い主さんの近くで寝かせる
- 明るくする
といったことで対処します。
夜鳴きも遠吠えも、飼い主さんがいちいち起きて相手をしても無くなりません。
かえって生活リズムが崩れてしまうので、メリハリをつけてあげるようにしましょう。
まとめ
犬の無駄吠えは、多くが飼い主側の都合で問題になるものです。
愛犬に飼い主さんの都合に合わせてもらうことになるため、飼い主さんも時間や手間を惜しまず、じっくりと愛犬と向き合ってあげることで、解決が早くなります。