「仕事に行くたびに、愛犬を置いていくのがつらい…」
「留守番中に吠えたり、イタズラしたりしていないか心配…」
犬と暮らしていると、留守番の悩みはほとんどの飼い主さんが通る道です。
私も犬と猫の相談を受ける中で、「留守番」と「しつけ」の話題は必ずといっていいほど出てきます。
- 犬が留守番を苦手に感じる理由
- ストレスを減らすしつけの進め方(ステップ別)
- 留守番に役立つ環境づくりやアイテム
- 長時間の留守番がどうしても必要なときの対策
などを、専門家の立場からわかりやすく解説していきます。
読み終わるころには、「うちの子でもできそう」「この方法なら試してみたい」と思っていただけるはずです。
なぜ犬にとって「留守番」はストレスになりやすいのか
犬はもともと群れで生活してきた動物です。
飼い主さんや家族は、犬にとって「群れの仲間」「安心できる存在」です。
そんな大好きな人が急にいなくなると、犬は次のように感じやすいです。
- 置いていかれた不安
- いつ帰ってくるかわからない恐怖
- 退屈でエネルギーが余るストレス
- ずっと吠え続けてしまう
- 家具やクッションを噛んでしまう
- トイレを失敗してしまう
- ひどい場合は食欲不振や下痢などの体調不良
といった「問題行動」や「体調トラブル」として表面化しやすくなります。
大切なのは、「イタズラしたいからしている」「わざと困らせている」のではなく、
犬なりに不安や退屈を解消しようとしている結果だと理解してあげることです。
そのうえで、「留守番=怖い時間」から「留守番=ちょっと退屈だけど平気な時間」へ変えていくしつけと環境づくりが重要になります。


留守番前に必ずチェックしたい「お部屋の安全対策」
留守番のしつけを始める前に、まずは家の中を見直してみてください。
犬の留守番中の事故やケガは、ほんの少しの工夫でかなり減らせます。
危険なもの・壊されたくないものは「物理的に」遠ざける
以下のようなものは、あらかじめ犬の届かない場所に移動させておくと安心です。
- 電源コード・充電ケーブル(噛むと感電の危険があります)
- リモコン、小さなおもちゃ、ボタンなど飲み込みそうなもの
- クッションやぬいぐるみ(綿を飲み込むと腸閉塞のリスクがあります)
- 薬、サプリ、洗剤、漂白剤、芳香剤スプレーなど
- チョコレート、ブドウ、タマネギなど犬に有害な食べ物
「イタズラしないようにしつける」のではなく、
「そもそもイタズラできない環境にしておく」のが、留守番の基本です。
- コードカバーで覆う
- 家具の裏に隠す
- 使わないときはコンセントを抜いておく
など、物理的な対策を徹底しましょう。

留守番スペースは「安心できる巣」をイメージする
- ケージやサークルの中
- リビングなど部屋の一部
のどちらかになることが多いです。
どちらの場合でも、次のポイントを意識して整えてあげてください。
- 柔らかく清潔なベッドやマットを用意する
- 飲み水はこぼれにくいボウルや給水ボトルにする
- 室温・湿度を季節に合わせて管理する(エアコンは留守番中こそ重要です)
- 外の物音や光が気になりやすい子は、ケージに布をかけて視界を少し落ち着かせる
「ここにいれば安心」「ここが自分の場所」と思えるスペースがあるほど、犬は留守番に強くなります。
犬の留守番を教えるしつけの基本ステップ
ここからは、実際のしつけの進め方を、ステップごとに解説します。
いきなり完璧を目指さず、「できた」「がんばれた」を少しずつ増やしていくイメージで取り組んでください。
STEP1:まずは「短時間」「ケージあり」の安心留守番から
いきなり半日・一日中の留守番をさせるのは、犬にとって大きなストレスです。
子犬はもちろん、成犬でも、最初は「1~2時間」程度のごく短い留守番から始めると安心です。
→ 軽くお散歩や遊びをして、エネルギーを発散させておくと落ち着きやすいです。
→ 「行ってくるね」「すぐ帰ってくるよ」と、毎回同じ言葉でOKです。
→ 無言で突然いなくなるより、犬も状況を理解しやすくなります。
→ 帰ってきたら、まずはやさしく声をかけ、「よくがんばったね」としっかり褒めてあげてください。
→ 留守番中の出来事を、後から叱っても犬は「なぜ怒られているか」を結びつけられません。
→ 「失敗しても大丈夫」「次はうまくいくように工夫しよう」と考えてあげてください。
褒められる経験が増えるほど、犬は「留守番してもちゃんと褒めてもらえる」と自信をつけていきます。
STEP2:留守番時間を少しずつ延ばしていく
- 3時間
- 4時間
- 半日(5~6時間)
といった形で、少しずつ時間を伸ばしていきます。
- いきなり倍の時間にしない(1~2時間ずつ増やすイメージです)
- できれば休日など、何かあればすぐに戻れる日に試す
- 帰ってきたときの褒める習慣は継続する
ということです。
また、この段階でも、
「ケージ・サークルの中で留守番するほうが安全」と感じる場合は、無理にフリーにはしなくて大丈夫です。
- 部屋の中だとイタズラが多くて心配
- 多頭飼いで犬同士のトラブルが怖い
というご家庭では、ケージ留守番の方が犬にとっても落ち着く場合があります。
STEP3:ケージの外での「フリー留守番」にチャレンジ
ケージやサークルでの留守番に問題がなくなってきたら、
次のステップとして「ケージの外での留守番(フリー留守番)」にも挑戦してみましょう。
→ すべての部屋を解放するのではなく、危険物を片づけた一部屋だけを解放すると安心です。
→ 「自由に歩き回ってもいいし、落ち着きたいときはケージに入ってもいいよ」という状態にします。
→ ケージ自体が安心できる「巣」になっていると、犬は自分からそこに戻って休むことが多いです。
→ 中にフードやおやつを詰められるおもちゃ
→ ゆっくり噛めるガムやデンタル系おやつ
などを使うと、留守番中の「退屈時間」を減らすことができます。
→ 多少のイタズラがあっても、感情的に叱らず、「環境の見直し」から始めてください。
- カメラ付き見守りモニター
- スマホと連動する自動給餌器
などのアイテムを使うと、様子を確認できるので飼い主さんの安心感も高まります。
こうしたグッズは、留守番のしつけをスムーズに進めるうえで、とても心強い味方になります。
STEP4:飼い主さんの「生活パターン」を犬に覚えてもらう
ある程度、留守番の練習を重ねていくと、犬は次第に
- 朝、飼い主さんが支度をし始める
- カバンを持つ、鍵を手に取る
- 声をかけてから出かける
- 夕方~夜に帰ってくる
といった一連の流れを覚えていきます。
ここで大切なのは、「できるだけパターンを一定にする」ことです。
- 散歩の時間
- ごはんの時間
- 飼い主さんが出かける時間と、だいたいの帰宅時間
が毎日バラバラだと、犬は「今日はいったいいつ帰ってくるのか」がわからず不安になりやすいです。
もちろん、仕事や家庭の事情で完全に同じ時間に帰れないことも多いと思いますが、
「できる範囲で、帰宅時間を大きくズラさない」
と意識するだけでも、犬の安心感は変わってきます。
生活リズムが安定してくるほど、犬にとって留守番は「いつもの日常の一部」になっていきます。
留守番のしつけで絶対に守りたい2つのポイント
ここで、留守番のしつけで特に重要なポイントを整理します。
① 帰宅後は必ず褒めて、自信をつけさせる
- 吠えなかった
- 大きなイタズラがなかった
- トイレもそこそこ上手にできた
といった「良かった点」に注目して、たくさん褒めてあげてください。
犬は、「飼い主さんが喜んでくれた行動」を覚えていく動物です。
留守番のたびに褒められる経験が増えることで
「留守番しても、ちゃんと戻ってきてくれる」
「戻ってきたら褒めてもらえて、うれしいことがある」
と感じ、留守番に対して前向きなイメージを持てるようになります。
留守番中のイタズラを、後から叱らない
帰宅したらクッションがボロボロ…
床にオシッコの跡が…
こんなとき、思わず叱りたくなる気持ちはよくわかります。
ですが、犬を叱っても
- 何時間も前にやった行動と結び付けられない
- 「飼い主が帰ってくると怒られる」と学習してしまう
という最悪のパターンになりやすいです。
犬をしつけるときの鉄則は、「現行犯のみ」です。
その場で見てすぐに伝えないと、意味が通じません。
- まず落ち着いて現状を確認する
- 危険がないかをチェックする
- イタズラされて困るものは、次回からは事前に片づける
という流れに切り替えてあげてください。
留守番中のストレスを減らす「プラスα」の工夫
留守番のしつけと並行して、犬のストレスを減らせる小さな工夫を紹介します。
こうした工夫は、アフィリエイト商品選びの軸にもなりますので、アイテムを検討している方はぜひ参考にしてください。
おすすめの環境&アイテム例
- 知育トイ・コング系のおもちゃ
-
中にフードやおやつを詰めるタイプの知育トイは、留守番の強い味方です。
「中身をどうやって出そうかな?」と頭と口を使うことで、短時間でも満足感が得られます。 - 長持ちするガムやデンタルおやつ
-
ゆっくり噛めるおやつは、噛む欲求を満たしつつ、ストレス発散にもつながります。
誤飲が心配な場合は、サイズや硬さの合ったものを選んでください。 - ペット用見守りカメラ
-
外出先からスマホで様子を確認できるカメラは、飼い主さんの安心感をかなり高めてくれます。
機種によっては、声をかけられたり、おやつを出せたりするタイプもあります。 - 自動給餌器・給水器
-
長めの留守番になる場合に便利です。
決まった時間にごはんが出てくることで、犬の生活リズムも安定しやすくなります。 - リラックス効果の期待できるグッズ
-
フェロモン製剤(スプレーやディフューザー)、アロマではないペット用のリラックス用品、落ち着いたBGMなども、敏感な子には役立つことがあります。
こうしたアイテムは、「留守番のしつけをサポートする道具」として活用するイメージで選んであげてください。
道具だけに頼るのではなく、しつけや環境づくりと組み合わせることで、より効果を実感しやすくなります。
どうしても長時間の留守番が必要なときの選択肢
出張、旅行、冠婚葬祭など、どうしても普段より長時間の留守番をさせなければならない日があります。
そんなときは、「犬ができるだけ安心できる形」を優先して選んであげてください。
1)一番おすすめ:犬が暮らしている「自宅」で誰かに見てもらう
可能であれば、家族や信頼できる友人、ペットシッターさんに、
「犬は家、自分のテリトリーにいながらお世話をしてもらう」
という形が最もストレスが少ないです。
- いつもの匂い、いつもの寝床で過ごせる
- ごはんの場所やトイレの場所も変わらない
- 知っている人であればなお安心
留守番が苦手な犬や、高齢犬、持病のある犬には、このスタイルがおすすめです。
2)どうしても他の家に預ける必要がある場合
実家や友人宅など、他の家に預ける場合は、いきなり長期で預けるのではなく、
- 事前に何度か一緒に遊びに行っておく
- 1~2時間のショートステイを試しておく
といった「慣らし期間」を作っておくと、犬のストレス軽減につながります。
- いつも使っているベッドやブランケット
- 愛用のおもちゃ
- 普段食べているフード
など、「自分の匂いがついているもの」を一緒に持っていくと安心しやすいです。
3)ペットホテル・ペットサロンを利用する場合
身近に預け先がない場合は、ペットホテルの利用も選択肢のひとつです。
- 個室タイプのホテル
- ドッグラン付きの施設
- 24時間スタッフ常駐のホテル
など、犬のストレスに配慮したサービスも増えてきています。
- 事前に見学させてもらえるか
- スタッフの対応や清潔感
- 夜間の管理体制
- お散歩や遊びの有無
などをチェックするとよいでしょう。
こちらも可能であれば「お試し一泊」や「日帰り預かり」を事前に経験させておくと、本番の負担が軽くなります。
まとめ:留守番は「かわいそう」だけではなく、「一緒に成長できる時間」にもなる
犬に留守番をさせるのは、どんな飼い主さんにとっても少し胸が痛むものです。
しかし、現実として、仕事や用事でどうしても一緒にいられない時間はありますし、
その時間をできるだけ安全で、ストレスの少ないものにしてあげることは、立派な「しつけ」の一部です。
この記事でお伝えしたポイントを振り返ると、
- 留守番は「短時間」から、いきなり長時間にしない
- 危険なものや壊されたくないものは事前に片づける
- ケージやサークルを「安心できる巣」にしておく
- 帰宅したら必ず褒めて、自信を育てる
- 留守番中のイタズラを、後から叱らない
- 飼い主さんの生活パターンを、できるだけ一定に保つ
- 必要に応じて、知育トイや見守りカメラなどのアイテムを活用する
という流れになります。
飼い主さんにも生活があり、愛犬にも心があります。
その両方を大切にしながら、少しずつステップを踏んでいけば、
きっと「うちの子なりの上手な留守番スタイル」が見つかるはずです。
これから愛犬の留守番のしつけに取り組もうと思っている方は、
焦らず、比べず、今日できる小さな一歩から始めてみてください。
その積み重ねが、犬にとっても飼い主さんにとっても、安心で幸せな毎日につながっていくでしょう。
