猫の起源は古代エジプトまで遡ります。
最初は現代で言う愛玩動物という概念ではなく、宗教の信仰対象として扱われていました。
その後、ネズミやヘビなどの害虫駆除のために猫が家畜化されたと考えられています。
猫は基本的に1匹で生きていく動物で群れを作りません。
そのためリーダーというものが存在しなく服従という文化もありませんが、親を一人決めるといった性格のため、決めた親には特別甘えるといった特徴があります。
猫好きな人は、自分だけを愛してくれるといった猫の側面に惹かれている人も多いのではないかと思います。
ここでは猫の習性や行動に触れ、猫がどういった動物であるかを深く理解できる内容になっています。
猫はなぜマーキングするのか
マーキングは去勢をしていないオスによくみられる光景です。
しかしマーキングの行為はオスに限った行為ではありません。
オスの場合、縄張りを主張するためにマーキング(スプレー)行為を行います。
去勢していないオスの匂いは独特の強い臭いで、去勢するとたいていこの行動は治まります。
- トイレの場所が変わった時
- トイレの掃除が行き届いていない時
- トレイが狭いと感じる時
- ストレス解消
トイレや生活環境の変化が原因でマーキングが起こってしまいます。
猫は綺麗好きなので、トイレが狭かったり汚い時などは、その腹いせにトイレの周りで粗相をしてしまうなどの行為が多く見られます。
トイレは常に綺麗にするように心がけ、トイレの位置などはなるべく最初に決めた位置から大きく動かさないようにしましょう。
習慣なってしまう前に早期発見することが大切です。
マーキング対策として有効なのは、トイレの環境を整えることが一番ですが、オス猫の場合どうしてもスプレー行為などで困ることがあります。
そういった場合は市販で売っている猫用のおむつを利用すると良いでしょう。
猫の爪とぎは愛情表現でもあります
猫を飼うと必ず爪とぎ問題に直面します。
猫は、家の壁や家具など爪とぎがしやすそうな場所が大好きです。
傷つけられると困る賃貸住宅や新築のきれいな壁や柱で爪とぎをされては困ります。
猫が爪を研ぐ理由は3つありますので理解を深めて対処してみてはいかがでしょうか。
猫が爪を研ぐ理由|武器を磨いているため
猫は生まれながらの本能で、いついかなる時でも敵を捕まえられるように爪を研いでいます。
猫が爪を研ぐ理由|マーキングのため
猫が爪を研ぐ行為は犬のおしっこと似たようなもので、猫の肉球には臭腺という臭いを発生させる構造があり、擦り付けてマーキングしています。
猫が爪を研ぐ理由|飼い主と遊びたい気持ちを抑えているため
一見すると機嫌が悪い時の表現だと思われがちな猫の爪とぎですが、実は飼い主さんと遊ぶ気満々で高ぶった気持ちを爪とぎに転嫁していることがあります。
特に飼い主さんを見ながら爪とぎをしている時はこのサインであると読み取っても良いでしょう。
猫の爪とぎ対策
いくら愛情表現と言っても、家の中を傷だらけにされるのはやめさせなければなりません。
猫の爪とぎ対策として、100円均一などで販売されているリメイクシートや透明なシートを。爪とぎされそうな場所に事前に貼ったり、猫用の爪を研ぐおもちゃや爪とぎ用の段ボールなどを用意してあげることで壁や家具を守ることができます。
しっぽの動きから猫の感情を読み取ってみよう
猫のしっぽは一番感情が出やすい場所です。
猫のしっぽの向きや振る速さによって感情は全く変わってきます。
ここでは猫の尻尾の動きからわかる猫の感情6つをご紹介します。
しっぽをくるんと巻いて上向きになっている
しっぽを巻いて上向きになっている時は、猫が今幸せな気持ちであることを示しています。
猫に、良い飼い主さんとして認められている証拠であると共に、ごはんが欲しい時や、甘えたいときによく見ることができます。
しっぽの毛が逆立ってぶわっと膨らんでいる
しっぽの毛を逆立てて膨らませている時は、猫がおびえていることを示しています。
しっぽの毛を逆立てて膨らませることで自分自身を大きく見せて威嚇しているのです。
しっぽをだらんと下げている
だらんとしっぽを下げている時は、元気が無かったり体調が悪い場合によく見られます。
猫の表情や仕草など注意深く観察して、必要に応じて動物病院へ相談するようにしましょう。
しっぽを素早く左右に振っている
しっぽを素早く左右に振る時は、猫がイライラして怒っている時なのでそっとしてあげましょう。
猫を抱きかかえた時にしっぽを素早く動かす
抱きかかえた時に素早く動かすのは、猫が嫌がっていることを示しています。
なるべく早くおろしてあげるようにしてください。
ゆっくりとしっぽを動かしている
ゆっくりとしっぽを動かしている時は、猫がリラックスしていることを示しています。
飼い主さん以外の人が猫を抱っこする時は、まずは飼い主さん抱っこしてから別の人に抱っこさせるようにすると猫も嫌がらずに抱っこさせてくれることが多いです。
お尻を見せる仕草は、飼い主さんを馬鹿にしたり、嫌われているような行為に見えますがむしろその逆で、おしりの匂いを嗅がせて愛情表現をしていま。おしりを摺り寄せてくる場合は、人間で言うハグをしているのと同じ行動ですので、猫が飼い主さんを信頼している証ですので優しく見守ってあげましょう。
猫のふみふみはかわいいけど悲しい理由があります
毛布などを「グーパーグーパー」したり「ふみふみ」したりする行為は、すべての猫がこの行動を見せるとは限らず悲しい理由があります。
猫のふみふみする行動は、母親猫に甘えたくて取る行動で、子猫の時に母猫に十分に甘えられなかった子猫が時々見せる行動です。
前足で「ふみふみ」するのは母乳が出るように母猫の身体を押し出す行動で、同時にくちも「ちゅぱちゅぱ」させていることもあります。
ですが、飼い主の膝の上や体の上で「ふみふみ」するのは、子猫の気分になって甘えたりくつろぐことができる飼い主さんだと認めらた愛情表現とも捉えられます。
猫はなぜ水が嫌いなのでしょうか
犬よりも猫のほうが格段に水を嫌がります。
理由ははっきりとはわかっていません。
カナダの獣医師会では「水を嫌う理由の一つとして、猫のルーツが乾燥した砂漠地帯であり、その独特な気候の中で進化してきたことと関係があるかもしれない。その中で川や湖、雨を経験することがなかったため別の場所で進化してきた動物種ほど水に慣れていない」と提唱しています。
しかし水に浸かるのが苦手な猫でも、蛇口からの水に手を当てて遊んでいる動画などを見たことがある人も多いのではないでしょうか?
これも理由ははっきりとわかっていませんが、専門家は「遊び心をくすぐるといった点で関係があるのではないか」と理論づけています。
猫の毛繕いは起きている時間のほとんどって本当?
猫はきれい好きであるため、起きている時間の3分の1は毛繕いをして過ごしています。
猫の舌にはザラザラとした突起がついていて、この突起がブラシのような役割を果たします。
毛繕いは猫にとって毛皮を綺麗に保つことや、体についた臭いを消すこと、体温調節やリラックス効果として用いられ猫の本能的な行動には必要不可欠です。
しかし、毛繕いをした毛が身体の中に入ってきてしまうことが多く、消化できないため便から排出されずに消化管に溜まってしまいます。
そうして溜まった毛玉は、口から吐き出すことしかできないため、毛を嘔吐するような形で外に排出します。
とくに毛の生え変わりの時期(換毛期)では毛玉が多く排出されます。
吐き出した後に食欲もあり体調に変化がなければ放置しても問題はありませんが、頻繁に吐く行為が続いたり、吐こうとして咳き込んでなかなか排出されない場合は動物病院で診てもらうようにしましょう。
毛玉は日々の食事やブラッシングでケアすることもできますので、毛玉予防も同時に行ってあげると良いでしょう。
猫が⽑繕いをする大切な2つの理由
猫が毛繕いする理由は2つあります。
猫は自らの身を舐めることで暑さや寒さから身を守っている
寒い時期に舐めて毛繕いすることは、毛皮の表面を滑らかにし、より効率的に寒さから身を守っているからです。
一方、夏場は汗腺のない猫にとって毛皮を舐めることは体を冷たく保つために役立っています。
野生時代から備わった本能的な行動
狩りの時に匂いで獲物に気づかれないために舐めて体をきれいにしています。
この習性から猫はきれい好きとよく勘違いされていますが、本能で狩りのために準備しているということが考えられます。
猫はなぜ動くものが好きなのでしょうか
猫が動くものが好きな理由として、野生の本能が備わっているからということが考えられます。
猫じゃらしなどの動くものに反応してしまったり、テレビの中の動くものを見て反応するのは、獲物だと感じて捕まえたくなる本能的なことであったり、なんだろう?という好奇心や警戒心からの反応でもあります。
猫じゃらしなどで遊んであげると、食べたものの消化のサポートになり運動不足の解消にもつながります。
反応する行動を抑制せず、猫がどういった心理で反応しているのかを飼い主さんが見極めることが大切です。