いくら可愛い愛犬でも、大人になっても甘噛みが続くようだとちょっと心配になってしまいます。
甘噛みは、特に人の手を噛むことが多いと思いますが、なぜ犬は甘噛みするのでしょうか。
今回は、犬が噛んでしまう理由に加え、噛みつきと甘噛みとの違い、そして甘噛みをやめさせる方法について解説します。
犬が噛みついてしまう理由
犬は、しっかりしつけをしていれば滅多に人や他の犬に噛みつくということはしません。
ですが、「甘噛み」と言って、ちょっと痛いけれど血が出ない程度に噛むことがよくあります。
犬が甘噛みをする原因にはいくつかの理由がありますが、代表的なものには「仔犬期の歯の生え変わり」ということがまず挙げられます。
子犬が甘噛みをする理由
子犬の時期は、ちょうど歯の生え変わりの時期になります。
子犬の歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)に生え変わるのは人間と同じです。
この時期は特に、犬はたくさんのものを噛みますし、ときには甘噛みと言えないほどの強さで噛むこともあります。
これは、歯の生え変わり時期で歯茎が痒いからです。
子犬にボールなどを与えると、ずっと噛んでいたりしませんか?
それは、いろいろなものを噛むことで、自分の歯の生え変わりを促すのと同時に歯茎のむずむずを解消したいからです。
成犬が甘噛みをする理由
子犬の時期を過ぎて大人になっても飼い主さんの手にじゃれたり甘噛みしたりする犬もいますがどうしてなのでしょうか。
犬の「噛む」という行為には2種類あります。
- 「じゃれて噛む」といった、いわゆる甘噛み
- 「怒って噛む、威嚇している」という本気噛み
本気で噛むときは、犬が明らかに怒っているので見ればすぐに分かります。
本気で噛むような状態は危険ですので放置せず、絶対にやめさせなければいけません。
大きくなっても「甘噛み」を繰り返すようであれば、普段の接し方に問題があることが多いようです。
甘噛みも本気噛みも、成犬になっても続くようであればしつけで直しましょう。
子犬から成長期にかけての甘噛みと、成犬になってからの甘噛みにはそれぞれ違いがあるのでその違いを踏まえて、甘噛みを直すしつけ方について見ていきましょう。
子犬の甘噛みを直すしつけ方
子犬やパピー期の甘噛みは、先ほどお伝えしたように歯の生え変わりによるものが主な原因ですが、このような原因に対しては、歯の生え変わりを手助けしてあげることが対策になります。
具体的には、ボロボロになってもいいタオルなどを使って「犬と引っ張り合いをして遊んであげる」という方法があります。
このとき注意したいのが、タオルを引っ張る方向が犬より上にならないようにすることです。
犬が首を痛める原因になってしまうため、なるべく犬の目線に合わせて水平になるように引っ張り合いをします。
あまり無理をせず、あくまでも遊びの一環としてやってあげましょう。
遊んでいるうちに小さい歯がぽろぽろと抜けて落ちることがありますが、近いうちに抜け落ちる歯だったので、大きな出血がなければ問題ありません。
その他の対策としては、犬用の歯ブラシなどを使って歯磨きのしつけと共に歯の生え変わりを一緒にサポートしてあげます。
歯を痒がっていたら動物病院へ連れて行き、獣医さんに歯の生え変わり具合を診てもらうのもおすすめです。
もし飼い主さんの手を噛むのをやめないときは
子犬は好奇心などから何でも口の中に入れてみたり、いろいろなものに噛みついたりしますが、飼い主さんの手を噛むようであればしつけが必要になります。
しつけのポイントは2つです。
- 犬が噛んでもいいものを与える(噛みついていいものと悪いものを教える)
- 撫でるときは犬の頬や体を撫でるようにする
噛んでもいいものといけないものを教えることは大事なしつけです。
噛んでもいいものは噛んだときは怒らず、噛んではいけないものを噛んだときには「ダメ!」とハッキリと叱り、しつけましょう。
良いものと悪いものを一つずつ教えていくことで、自然と手に対する執着が薄れ、徐々に良し悪しを覚えてくれるはずです。
次に、撫で方によるしつけの方法ですが、いきなり犬の頭のほうから撫でることはせず、体や頬を撫でてあげましょう。
噛まれやすい撫で方をしないだけでなく、人に撫でられることに慣れさせることが目的でもあるため、恐怖心を与えるような撫で方はやめましょう。
このような接し方を徹底することで、子犬の甘噛みは落ち着いてくるでしょう。
しつけの際、犬が噛もうとしてきても、絶対に口を押さえて噛むのをやめさせることはしないようにしましょう。
犬の口の部分を「マズル」と言いますが、このマズルを押さえつけるしつけは、犬の恐怖心を煽ったり人に対する不信感につながります。
成犬の甘噛みを直すしつけ方
大人になっても甘噛みが直らない、つまり「噛み癖」がついてしまった場合の対処法についてご説明します。
しつけを行う前に、「噛んでいいものと噛んではいけない物をしつけているか」「噛まれやすい撫で方をしていないか」ということを思い返してみてください。
思い当たる節があれば、まずは見直すことから始めてみましょう。
特に心当たりがないようであれば、考えられる噛み癖の原因のひとつに「犬のストレス」があります。
犬もイライラしたり思い通りにならないときは、吠えたり威嚇したりしますが、噛み癖もこういったイライラなどが引き起こす衝動の一つであったりします。
- 散歩量や時間が少ない(運動量が足りていない)
- 暑い
- 寒い
- 寂しい
- つまらない
- 怖いものが近くにある
このようなストレスから、愛犬は飼い主さんの手を噛もうとしたりします。
犬が噛みつこうとしたり甘噛みしようとするときは、何か不満があるサインなのかもしれません。
飼い主さんが犬が不満に感じる原因を改善してあげることで噛みつきも減っていきますのでストレス緩和に努めてみてください。
犬が本気で噛む理由
体に触られたくないときや遊んでいるものや食べているものを取り上げようとすると噛みつく犬もいます。
特に、自分のものだと思っているものを取り上げようとすると本気で噛みつくことは多いので注意してください。
犬が本気で噛みつくときは、「怒り」や「怯え」が原因ですので、飼い主さん犬はの気持ちを常に感じ取りながら接するようにしましょう。
犬が本気で噛むのをやめさせるしつけ方
犬が本気で噛もうとしているときに、急に噛むのをやめさせることは難しいため、まずは落ち着かせることが大切です。
他の人や犬などに怒っているようであれば、大けがをしかねないため、その場から早めに引き離すなどしましょう。
犬が怒っている対象が生き物ではない場合、ほとんどが恐怖心から本気で噛もうとします。
目につく場所に、恐怖を感じていると思われるものがあれば、どこか目につかないところへ移動しましょう。
怖いものにすでに噛みついているようであれば、それを無理に取り上げると飼い主さんに怒りだすので、無理に取り上げずに口から離した隙に隠します。
噛みついているものを取り上げると「獲物を取られる」という感覚から、取られまいと必死になって怒り噛みつきます。
噛みつこうとした時や噛みついた時は、しっかりと叱ることを忘れないようにしましょう。
良し悪しを忍耐強く教える必要があると共に、叱ることは犬と向き合うことにもなります。
まとめ
犬の甘噛みや、本気噛み、噛み癖を直す方法についてご紹介しました。
犬は物を噛むことで確かめようとする習性があるため、まずは噛んでいいものといけないものをきちんとしつけることが大事です。
また、日頃から犬がストレスを溜めたり、ストレスを強く感じないような接し方で甘噛みを直しましょう。